※スウェーデンボルグにまつわる逸話を紹介します。
●ユネスコ「世界の記憶」に選ばれているスウェーデンボルグの手書き文書
ユネスコが主催する事業の一つに「世界の記憶」があります。日本ユネスコ国内委員会によると、世界的に重要な記録物への認識を高め、保存やアクセスを促進することを目的とし、ユネスコの事業として1992年に開始されました。英語ではMemory of the World なので直訳すると「世界の記憶」となりますが、「記憶遺産」という訳語もあります。選定基準は、世界歴史に重大な影響をもつ事件・時代・場所・人物・主題・形態・社会的価値をもった記録物を対象としています。現在、スウェーデンボルグの手書き文書が、この「世界の記憶」に選定されています。
1772年にスウェーデンボルグが亡くなった後、彼の手書きの文書類約二万ページは、ストックホルム王立科学アカデミーに寄贈され保存されてきました。2005年に、これを「世界の記憶」にする申請が、スウェーデン国立世界の記憶委員会からユネスコになされ、同年、「世界の記憶」として選定されました。
スウェーデンボルグの文書の重要性について、ユネスコのホームページには次のように記されています。「現存する18世紀の手書き文書としては最大のコレクションである。スウェーデンボルグの長い人生のあらゆる時期の主題が含まれている。ヨーロッパ啓蒙期における科学および神学思想についての重要な情報が含まれている。そして最後に、新しいキリスト教の教会を生み出したきわめてまれな手書き文書コレクションである」。その後2010年には、スウェーデンボルグ・アーカイブのデジタル版カタログが完成し、これを記念して国際シンポジウムが開催されています。
日本ではスウェーデンボルグの著作が話題になることは少ないですが、世界に目を向けると、ますます多くの人々がスウェーデンボルグの著作の重要性を認識しつつあるようです。
●『ギネスブック』に載ったスウェーデンボルグ
ロンドンで亡くなったスウェーデンボルグ、その頭蓋骨を1978年3月6日、 スウェーデン王立科学アカデミーが1万560ドルで落札した。
これは「最も高価な頭蓋骨」として『ギネスブック』に掲載されている。
スウェーデンボルグの頭蓋骨だといわれる写真。ホンモノであるかどうかは諸説があり、定かではない。