追悼文瀧村

高橋和夫先生の思い出


瀧村和子


 午前中、東京新教会の日曜礼拝に出席した後、國枝牧師に誘われて初めてJSA全国大会に参加しました。
 そこで講演されていた高橋和夫先生は熱弁を振われ内容もほとんど、初めて接するものでした。講演会の後の夕食懇談会で高橋先生がお声をかけてくださいました。
 その当時、私はスウェーデンボルグの著作をアルカナ出版より多数購入し愛読しており、ジェネラル・チャーチ・グループにいて、米国の教会から司教や牧師が来日される度に必ず集会に参加していました。
 JSAは「教会」ではなく「協会」ですが、それは「スウェーデンボルグの著作に関心を持つ者が特定の宗教や教派に偏しない立場で相互的に学び交流を深める」ためと目的に記されています。まさしく私にとって新しい出会いと学び合いの会でした。
 高橋先生ご夫妻とは同郷の新潟だと知り、いっそう親近感を持ちました。また、先生から電話を通じてよくお話を聞きました。話題も豊富で話は尽きることなく、あるときは夜通しで夜明け近くまで話が続きました。後で奥様に報告すると「私は早々にかまわず休みましたよ」と笑っておられるほどの思い出深いこともありました。
 高橋先生は面倒見のよい頼りになる方で、小平新教会の鳥田四郎牧師の『私の出エジプト』出版記念祝いの席に私まで呼んで下さいました。おかげで小平新教会の方々との面識ができ、出版にあたっての思い出話等、和やかな時を共有させていただきありがたかったです。
 あるK姉妹が病に倒れられ入院されたときも、高橋先生ご夫妻からお見舞いに一緒にと誘って下さって行ったり、ある日には仙台からS氏も来られ、お見舞い帰りには皆で和やかに語り合いました。
JSA会報28号に高橋先生の「佐渡教会」回想記に「隣人愛が宗教の原点」~「全身全霊を傾けて汝の主なる神を愛せ」「信仰のいのちは愛~真実の愛があればどんな宗教の信心や信仰でも万人は救われる」と盲人の手を引き訪れられた佐渡の小さな教会での愛ある行動、弱い者に対する優しさが溢れる人だったと思います。
短歌もお詠みになられ歌集『天狼』も発表され、短歌をよく知らない私でも、歌の内に優しさと繊細で慈しみに満ちたものを感じ感動しました。すべて創造主なる主なる神を賛美されているようにも思いました。